アップル設立者の一人、スティーブ・ジョブズも実践していたといわれる禅。
アメリカでは禅、メディテーション、マインドフルネスなどがブームになっています。
一息つくヒマもなく働き続けるストレス社会で、心と体をリセットしようという試みがヒットしました。深呼吸をし、何も考えない時間を設けることで、仕事の効率アップをはかるのが目的でしょう。
これだけ聞くと宗教的な要素はあまり感じられませんが、もともとは修行の1つです。
仏教の目的は、煩悩をなくし悟りを開くことです。
悟りの開き方には2種類あります。
自力・・・自分の力で修行をし、その成果によって悟りに近づく方法
他力・・・仏の力によって浄土に生まれ、悟りを開く方法
禅やメディテーションは、自力の行になります。
メディテーションを生活に取り入れている人の目的は、日々のストレスから解放され、心を落ち着かせる時間を設ける事であって、別に悟りを開くまでは求めていないように思えます。
仏教徒ではない人は世界中にいますが、その人たちから見て仏教はどのように見えているでしょうか。やはり仏教=修行のイメージが強いかと思います。
しかし実際には自力と他力の宗派があり、他力の宗派では修行はタブーとされているのです。
メディテーションに興味を持ちお寺を訪れた若者に、「それは自力だからやるな」と突きかえすのはもったいない気がします。若者の宗教離れの改善のチャンスと捉え、上手く取り入れる方法があればと考えます。その際は、宗派の考えを第一に守ることが優先されなければなりません。
メディテーションブームによって仏教に興味をもち、お寺を訪れれば仏教に出会うきっかけになります。そこからさらに深く仏教を学ぶ人も出てくるかと思います。
仏教の歴史は長く、学んでも学んでも学ぶことが多く面白いので、学ぶきっかけはどんどん増えればいいと考えます。
そもそもお寺は心を落ち着けるには最適の場所なので、心のリフレッシュに向いています。
忘れてはならないのは、浄土真宗は他力である事、つまりアミダさんの力に助けられて、浄土で悟りを開くという点です。
そもそも人間の力では悟りを開くことは難しいというのが他力の考えです。
悟りを開くためではなく、心のリセットとしてのメディテーションはあってもいいかもしれません。
ヨガのイベントをやっているお寺も見たことがありますが、お寺に人が集まるのは良い事だと思います。