あなたの悩みはこの中に当てはまっていますか?仏教では苦しみは8種類に分けられると言われています。
突然やってきて私たちを悩ませる苦しみ、仏教の観点から苦しみの種類を分析してみると少し楽になるかもしれません。
四苦八苦とは四字熟語で、使い方としては「生きるために四苦八苦する」というふうに使われています
仏教では、人が感じる苦しみを大きく4つに分けます。これを四苦(しく)と呼びます。
生苦(しょうく)
老苦(ろうく)
病苦(びょうく)
死苦(しく)
文字通り「生きていくこと」「老いていくこと」「病気になること」「死んでいくこと」これらが原因の苦しみのことです。
ここにさらに細かく分析したもの4つを加え、八苦(はっく)といいます。
愛別離苦(あいべつりく)
怨憎会苦(おんぞうえく)
求不得苦(ぐふとっく)
五蘊盛苦(ごうんじょうく)
少しむずかしそうな言葉ですが、意味を説明していくと。
「愛する人と別れ離れるること」
「怨み憎む人と会わなければならないこと」
「求めるものを得られないこと」
「五蘊(ごうん)が盛んなこと」
これらが原因の苦しみのことです。最初の3つはなんとなく身近なイメージが湧きますでしょうか?
しかし、最後の五蘊盛苦は少し難しいですね。
五蘊とは、「色(しき)・受(しゅ)・想(そう)・行(ぎょう)・識(しき)」のことです。
さらに分からない単語が出て来ましたね。1つずつ確認してみましょう。
まず、「 色」と「 受・想・行・識」に分けて考えます。
色とは、私たちの身体のことです。
身体は常に満たされることなく、求め続けています。ご飯を食べても数時間後にはまた空腹になっていますし、いくら睡眠をとっても夜にはまた眠くなっています。つまり色とは、身体的欲求が盛んでとどまることを知らないことによる苦しみです。
受・想・行・識とは、私たちの頭脳の活動のことです。
この4つは、私たちが何かしらの刺激を受けた時の、頭脳の働きの流れをあらわしています。
受とは、視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚のような刺激を受けること
想とは、受けた刺激に対しイメージする心の働き
行とは、イメージしたものに対し、頭の中で判断を下す働き
識とは、これらの情報をまとめ、自分の中にイメージを完成させる働き
私たちの脳はこのような活動を無意識にしてしまいます。それこそが苦しみの原因です。好きな人や嫌いな人を分けるのも自分でコントロールできれば愛別離苦、怨憎会苦に悩むこともないですが、感情は盛んにはたらき続けています。
心身の盛んな活動を止めることができない苦しみ、これが五蘊盛苦です。
自分が今なぜ苦しいのか、冷静に原因に向き合ってみると、少しは楽になるかもしれません。